本質は裏にある。

『本質は裏にある。』

江戸時代の宿場、大内宿。

軒先に吊るされた柿。
雪化粧した藁葺き屋根。
じゃぶじゃぶ流れる用水路。
新そばの看板。
冷たくなった指先を
アツアツの甘酒の入ったカップで温めながら
日本の美しさに酔う。

亡き師匠ナミさんが療養していた
天栄村の天栄湯を訪ねた。

女将さんがどうぞどうぞ
と快く案内してくれた鉱泉のお風呂につかる。

午後2時の柔らかな陽の光が
椎の木の間から降り注いでくる。
体いっぱいに浴びて

ふと見ると
お湯が金色に輝きながら揺らめいている。

振り返ると
壁に一段一段とオーロラのように
光のゆらめきが積み重なっていく。
六段目には上に大きく伸び上がり
さらに大きく揺れた後
小さくなって消えていった。

あまりに神々しくて思わず手を合わせた。

『人は表ばかり気にするけれど
本質は裏にある。』

ナミさんが教えてくれたような気がした。

窓を開けると
さあっと冷たい風と鳥の声が飛び込んできた。

テラスにどんぐりが落ちている。
その中にひとつだけ、芽を出したどんぐりがあった。
拾って見ると
虫に食われて何個も大きな穴が空いている。

体を壊しても新しいものを嬉々として
生み出そうとした
ナミさんみたいだ。

持ち帰って庭に埋めた。

芽が出たらいいなぁ。。

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